モンテカルロシミュレーションで戦略の「運」を剥がす
2026年4月
バックテストで得られる「累積リターン曲線」は、実は トレードが実際に発生した順番 で描かれた 1 本のパスに過ぎません。同じ勝率・同じ平均損益でも、勝ち負けの並びが変われば最大ドローダウンや CAGR は変わります。モンテカルロシミュレーションは、この 並びの偶然性 を剥がして戦略の実力を測る手法です。
代表的な2つのアプローチ
| アプローチ | やること | 目的 |
|---|---|---|
| トレードシャッフル | 実トレードの損益を並び替え | 並びの偶然による最大DDのブレを見る |
| パラメトリックサンプリング | 損益の分布からサンプリング | 想定外のドローダウン規模を推定 |
シャッフルは、勝率やトレード数を保存したまま並びだけ変えるので、解釈がシンプルです。パラメトリック法は、将来が過去と同じ分布に従うという仮定が必要な代わりに、「起こりうる最悪ケース」の感覚がつかみやすくなります。
何を見るか
1000 パスをシミュレーションすると、ドローダウンやリターンの分布が描けます。以下の視点で戦略を評価します。
- 最大DDの 95パーセンタイル: 20 回に 1 回はこれ以上深くなる、の目安
- 最終リターンの 5パーセンタイル: 運が悪くてもこの程度は残るか
- 破綻確率: 資金が一定水準を下回るパスの比率
単一のバックテスト結果だけを見て意思決定すると、「たまたま良かったパス」を実力と勘違いしやすくなります。
実務での注意点
- トレード同士の独立性: 実際はトレード同士に相関があります(同じ地合いで複数銘柄が同方向に動くなど)。独立を仮定したシャッフルはこの相関を無視するので、理論より楽観的な結果になりがち
- サンプル数: 実トレード数が 50 以下だと、シャッフルの多様性が乏しく信頼性が下がる
- 期間依存: 強気相場のみで得た分布で未来を語るのは危険
ウォークフォワードとの関係
モンテカルロは パスの偶然 を、ウォークフォワードは 期間の偶然 を扱います。両方合わせて評価すると、戦略のロバストさがより立体的に見えてきます。ウォークフォワード分析の解説 とあわせて確認してください。
QuanTest で試す
QuanTest でバックテストを実行し、得られたトレードログを基にモンテカルロでブレ幅を確認するのが基本パターンです。まずはトレードシャッフル 1000 パスから始めて、最大DDの分布を眺めることをおすすめします。
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本記事は教育目的の解説であり、特定の戦略の収益性や将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。